まちこぶ リレー・エッセイのスタートにあたり 安全安心の食品とまちづくり会社

平成18年1月(公)㈲まちづくり小淵沢と同年弊社直営のショップまちこぶが、小淵沢商店街に産声を発しました。想いは6年間に及ぶ「まちづくり議論」を住民、商工会、町の協働作業により、「まちづくり活性化計画案」をまとめ、その中の一事業がショップまちこぶです。生活の基本である、食の安全安心へのこだわりを柱に、地域住民や来訪者による情報交流交差点の拠点でもあるようにと、取り組んで来た生活ショップです。昨今、食に対する社会の現状は、生産、流通、消費の全体像の質を直視すると、もう一度立ち止まって見直す必要性を、改めて考えさせられる事態の連続です。住民生活のための理想のショップづくりには、更なる努力と工夫が必要と考えています。

まちづくり小淵沢は将来のビジョンを、道徳心の伴う地域に必要な経済活動の環境づくりを意識し、持続可能な循環型社会づくりを目指し、住民による住民のためのまちづくり、「まちづくりは人づくり」「一人はみんなのために、みんなは一人のために」を理念に、社内6部門の活用により、多岐に渡る活動が地域貢献になり、まちづくりの成果として結びつくものと考えています。市民のためのまちづくり会社であり、自立と自律をまず意識し、市民のみなさんと共に、運営経営する使命を背負っている会社なのです。老若男女、市民が希望を持てる良質なまちづくりは、市民一人一人の前向きな参加が、基本的に必要であると願い考えています。

国、地方自治体、住民という各サイドの取り組み、連携を意識しつつ、地域が一体となるための中間支援組織としての立場を、国より与えられています。将来に向けて、しがらみ社会から絆社会へ等、多様な市民のコミュニケーションづくりに、より一体感のあるまちになるよう、取り組んでまいります。

まちこぶ 代表 小林伸一

※(公)とは資本のあり方からも、住民主導で行政や公的団体との協働組織であることを、表現するものです。

 

リレー・エッセイ

この地域で、仕事をしている方々が、どんな思いでどんなことに取り組んでいるのか、綴っていただくものです。それを書くことで、読むことで、地域の相互理解を目的としています。

NPOまちづくり協会主催ー第8回全国タウンマネジメント会議

10月31日、ある疑問を解消したくこの会議に参加した。

住民主導の高松商店街代表、他方行政主導の富山市長、立場は異なるが両者が認める共通した考え方を、いくつかお知らせしたい。

・前例主義に拘らない民間主導

・観光客を増やす取組と同時に居住者を増やす取組を戦略的に進める

・全市民のために本気で取組んでいく覚悟の必要がある

・知恵手法試行錯誤を行い続ける

・船のこぎ手は住民、舵取りも住民、行政は後方支援のつながりを作る

ある疑問については、そもそも住民主導の活動環境は、ボランティアのみでは継続できないということ。自ら自立(経済環境をつくる)するため、福祉サービス事業を興し経営する。最終的にまちづくりは土地の活かし方も重要との解答であった。

日本の現状を踏まえ、地域によっては成功や希望の持てるまちづくりをしている事例が幾つもある。「(公)㈲まちこぶ」も市民と共に果敢なチャレンジをしていこうと考えている。(まちこぶ・代表)

いいこと探訪6 北杜市郷土資料館 講師・水原康道氏ーふるさと民族塾

水原康道氏が講師の北杜市郷土資料館にて開かれているこの講座、~孫に語り伝える地域の暮らし~を副題とし、本年8月から毎月1回8回に渡り開催されています。

一般教養としての民俗学をベースに、北杜市及び山梨県に関する民族事例を紹介しつつ、各テーマ(盆行事・境界・日本人の自然観・日本人の世界観・正月行事・人生の通過儀礼・暦と暮らし)が身近に感じられるように分かりやすく、取り上げられています。

第3回目までの参加者の感想からは、「普段何気なく感じていたことの根拠や、それらの成り立ちに触れ、これからの自らの行動につなげたい。」といった様子が伺うことができ、今までの自分を考えさせてくれる、講座の内容であるといえそうです。

生涯学習の講座といえば、お仕事を務め上げた先輩方の受講が多いと聞きますが、昔は代々語り継がれていたこの様な内容は、私のような子育て世代こそが、いま身を持って吸収することが求められ、次世代のためにも、とても大切な位置づけの講座であると感じます。

講座も残り4回ですが、定員を超える参加応募に、来年度も開催したいと資料館では考えているそうです。(広報)

視察研修記ー木曽路(奈良井宿・木曽福島)

10月3日に開催された、八ヶ岳南麓風景街道の視察研修は、長野県にある風景街道「こころのふるさと,木曽路,中山道」の中の、奈良井区文化振興委員会と株式会社まちづくり木曽福島に見学と会談をお願いし、まちこぶからも4名が参加してきました。

行政区の奈良井とまちづくり会社の木曽福島、全く要素は違う研修となりましたが、どちらからも取り組みのヒントを頂きました。

まちづくり会社の運営に関わっていて、他のまちづくり組織運営は、状況は違うものの大変興味深いもので、先方から提示されこちらで選択したテーマ「町づくり会社の財源確保と課題」「住民参加型のまちづくり実現への取り組み」「観光協会との事務連携で得られたメリット」の他、自分たちの組織と照らし合わせ、まちこぶから参加した各人が、それぞれの担当部門を中心に、多くの質問をぶつけていました。

この視察には、商工会と観光協会からも参加いただき、まちづくりにおける連携のヒントを、共有できた貴重な一日となりました。

地方自治はおもしろい3-地方分権のはなし

著名なアメリカの政治学者が民主主義のレベルを測る5つの基準を示しています。それは

①実質的な参加(集団の政策が決定される前に、それがどんな政策であるべきかについて、すべてのメンバーが自分の見解を他のメンバーに知ってもらう機会が平等かつ実質的に確保されていること)

②平等な投票

③政策とそれに代わる案を理解する可能性

④アジェンダ(会議の議題や議事日程)の調整

⑤全成人の参画

です。この基準をどこまで実現しているかで、民主主義の質が決まるといっています。この5つはどれも当り前のことだと思う人も、現実にはなかなか難しいと考える人もいるでしょう。

自治体の政治を見て、これらのことが的確に行われているかどうか振り返ってみると、意外にハードルは高いのではと思えてきます。逆に、行政が日常やりたがらないことが並んでいるようにも見えます。

自分の住んでいる地域のことは自分たちで決めるという当り前のことも現実には「どこかで決められてしまう」と感じることが多いはずです。「自分も参加してそのことを決めた」と実感できることは余りありません。これからはそうしたことが実感できる自治体政治を創ることが大切になってきます。そのためには「議論を尽くす」ことなくして、実現することはありません。

一方、地域社会を維持し、私たちの生活を豊かにしていこうとすれば、役所になんでも要求する、なんでも役所に頼ることで解決するわけではありません。これからは地域のことを自分たちの手で決め、行動する「自治」の考え方が必要になってきます。

しかも、自治体の財政は縮小していく時代ですから、「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」、「あれもこれもできない」ことになってきます。自治体は必要最小限度のことしかできなくなります。

人口減少が始まり、高齢化が進みます。北杜市では二〇四〇年の国の推計で現在の人口は30%減少し、高齢化率も31%から48.6%になると予測されており、集落によっては生活環境を維持できないところも出てきます。このような状態の中で暮らしを成り立たせるためには自分たちでいろんな仕組みを作りながら、支え合わなければならなりません。みんなが参加して多様な暮し方を見つけることが必要になります。そのためにも、最初に挙げた「基準」を頭において「議論する」ことがますます大切なことになると思うのですが。

 

 

著者紹介:西寺雅也氏

名古屋学院大学経済学部総合政策学科教授・山梨学院大大学院非常勤講師・前多治見市長。平成24年3月まで、山梨学院大学教授として山梨を拠点に、北杜市内にも市民講座の講師として度々通われ、この地への理解も深い。

 

まちを学ぶシリーズ6 水原 康道(高福寺住職)ーこだわりの「小淵沢」の地名について(一)

小淵沢の地名は、「小淵池」に由来する伝承がある。小淵池は、小淵沢町総合グランド駐車場北の杉木立の場所にある。直径5~6メートル程の小さな池で、流れ出る川はなく、一年中水量は一定している。

小淵池は、実用性より宗教性の重視した場所といえる。そのために雨乞い祈願が行われたり、椀貸伝承(注1)がある。また、諏訪湖の水が増減すると小淵池も同じように変化するという、諏訪湖と小淵池が地下水でつながっている通底伝承もある。東大寺のお水取りの水は若狭国から地底を通じているというように、全国的に見られるこの伝承は不老長寿の常世の国に通じる信仰が背景にある。地底から湧き出る水は常世の国からもたらされる不老長寿の若水と思われ、また椀貸伝承のようにこの世に様々な福をもたらされるという。

このように池(井)は神秘的な場所とされ、水の祭祀をする神聖な場所であった。789年、甲斐国の渡来者は玉井・大井・中井などに改姓している。「井」の字を使ったのは、「井」の持つ聖なる水の呪力を姓名に注ぐためとみられる。韮崎市藤井町にある「駒井」の地名も渡来系に由来するとされ、また「藤井」の地名の命名も同じ理由からで、「井」の付く名前・地名は佳名(縁起の良い名前)とされたのであろう。

小淵沢の歴史に深く関わった小井詰氏の姓に、「井」の字が取り入れられたのも、同様の理由からであろう。水の湧く所は常世国に通じて、その神々の加護を受ける所であり、その場所に君臨することが地域に政治的、宗教的権威を示す、一種のステイタスであった。

天神森―山宮天神(のち現在地の北野神社となる)と大宮神社は尾根状に位置し、大宮神社には北野神社の神主・小井詰氏の墳墓あったという伝承(前号参照)がある。小淵池は、この尾根と北野神社の中間に位置し、約150メートル程の距離である。小淵池は「殿平」という地名の中にあって、小井詰氏後の領主の旧居住地跡とみられ、また隣接地に「天沢林」という字名あり、天沢寺というお寺の旧跡地という伝承がある。小淵池を中心とする一帯は、小淵沢の地名発祥地として語るにふさわしい場所で、政治的・宗教的に重要な地域であったと思われる。

以上のような「小渕の池」の伝承からの説明によると、小淵沢の地名は、「水」を共通とする「小渕」と「沢」とを合わせた地名と考えられる。「小渕」と「沢」を一体に解釈すると、「小さな淵のある沢」という地名になり、沢に小さな淵があることになる。これでは現状の地形に合わない。分離して解釈すると「小渕の池」と「沢」は別々の存在となるので、「小渕池」を小淵沢の地名由来の説明にならない。

このように小渕沢の地名を「小渕池」に由来するという   伝承では、「小渕」と「沢」の関係を十分説明できないので、次回はこの関係を再度考えることにする。

(注1)膳椀が必要の場合、その数を頼むと貸してくれるという沼や淵の話。全国的に分布する。しかし返却しなかった場合、その後は貸さなくなったという。

(注2)常世の国は古代日本で信仰され、海の彼にある一種の理想郷、不老不死・若返りなどと結び付けられた日本神話の他界観。古事記、日本書紀、万葉集、風土記などに記述がある。

小淵沢駅舎・駅前広場整備事業関連ー赤松保存チャリティーコンサート

2012年夏に発行した当誌8号において、小淵沢駅周辺地域活性化計画策定委員会の資料として、北杜市と東京芸術大学の作業体制について触れていますが、その小淵沢駅広場の基本設計や周辺の活性化に取り組む中で、11月2日に東京芸術大学の学生による演奏会が開かれました。

「小淵沢杜の芸術祭 Bach×Celt×Keith 生命力の踊り場 vol.1」と題して、マツクイムシ被害が進むアカマツ林保護のためのチャリティー音楽イベントとして、道の駅こぶちさわ西の揉合神社西側の赤松林で、地域活性と自然保護に働きがけがなされました。

この事業での他の現在の動きは、JRなど関係各所との細部調整が行われています。

自治体と住民それぞれがこの事業に向き合うこと、具体的には北杜市と北杜市民全体が自らの今後に影響のある事業と理解し、施設のあり方や地域の未来像を考えることが、地域づくりの為に求めらることではないでしょうか。

駐在所より 田中富美雄(小淵沢警察官駐在所)ーあんしん あんぜん こぶちさわ

110番の日

1月10日は110番の日です。緊急ダイヤルへの理解と協力をお願いしています。

緊急時は110番、平常時のご相談は#9110番となっておりますのでご活用ください。

緊急☎110

相談☎#9110

 

送り付け商法(詐欺)

注文していない商品を、勝手に送り付け、その人が断らなければ買ったものとみなして、代金を一方的に請求する商法です。健康食品の様なものを送りつけてくる事例が発生しています。家族宛は本人に確認し、分からない物は受け取らない様にしましょう。

 

警察音楽隊  北杜ふれあい演奏会

2月初旬に八ヶ岳やまびこホールにて、警察音楽隊による演奏会が行われます。好評のため整理券入手が困難になっております。詳細は北杜市より発表されますので、ご確認の上ぜひお越しください。

まちこぶ リレー・エッセイ 1ー山麓のこの町で暮らす

八ヶ岳の風に吹かれて

八ヶ岳山麓の森の中に絵本の美術館を開館して早二十一年。美術館経営の傍ら、春先からの庭手入れや山菜採り、さらには秋から初冬まで続くきのこ狩りなど山や自然の恵みと戯れる日々を送っている。これはそれまで三十年続いた東京での生活を考えると想像もできない大きな変化であった。

変化と言えば、私たちがこの山麓の暮らしていたこの二十年間に起こった世の中の大きな変化は何だったろうか?バブル経済崩壊後、新しい方向性を見出だせぬまま低迷を続けた日本社会の中で、私たちの仕事はおろか日常生活までも大きく変えてしまったもの― それは携帯電話やパソコン、インターネットなどによる情報通信手段の飛躍的発達であり、それによる高度情報化社会の到来であろう。今や私たちは全く見ず知らずの人とコミュニケーションを瞬時に行うこともできるし、ちょっとした指先の操作であらゆる情報を手に入れることもできる。私自身は携帯電話やパソコンを持たずにいるが、その代わりにもっぱら娘たちを通した’遠隔操作’で、知りたい情報をパソコンで調べてプリントアウトしてもらったり、欲しい本などがある場合には、インターネットショッピングで取り寄せてもらったりもする。しかしながら、一歩外に出れば豊かな自然が広がるこの高原の町での暮らしの最大の収穫は、そうした物や情報の波に溺れずに済む生活を獲得できたことである。物や情報は、必要な時、必要な分だけあればいいと思えるようになったことである。静かな森の中で絵本に描かれている豊かな想像力あふれる世界や、人間本来が持つ温かいコミュニケーションの世界に触れていると、等身大の自分、あるがままの自分が見えてくる。

山麓にはこれから厳しい冬が訪れる。春が来るまでは次第に人の足も遠のく。それでも新しい出会いはある。この冬はどんな人が私と私の家族が営むこの小さな美術館に訪れてくれるだろうか。

小淵沢絵本美術館・望月平

 

第4回八ヶ岳南麓風景街道ペンキ塗替えイベントー三峰の丘 すてきな眺めをつくってみよう

赤白防護柵などのペンキ塗替えイベントも今回で4回目八ヶ岳の景観を磨く取組として定着しつつあります。

今回は赤白防護柵に加え、ガードレールの景観配慮色茶色化に取り組みました。三峰の丘は、日本の標高トップ3が全て見渡せる場所で、当日は富士山、北岳、奥穂高岳の全てを終始眺めながら作業できる好天に恵まれました。

山梨県塗装工業会の方々、地元の鈴木塗装店鈴木正吉さんら専門家の協力指導のもと、総勢20名での作業でした。おかげで今までで最も良い仕上がりと、感想が集まっています。

本年から協働している、行政担当の方から、作業自体も楽しいと感想があり、今後は更に多くの皆様に参加いただける様に、官学民連携で毎月開かれる定例会議で、検討会議がスタートしています。