まちこぶ対談③ 代表・小林伸一 田園サスティナブルライフ-著者・中島恵理氏(本文敬称略)

テーマ「様々な視点からのまちづくり(地元学)」

中島 その(区に入るということの)意義は、お金だけ払われるものでなくて、この地域の環境を守るためにとか、自分自身が環境を理解してとか、そういう意義があるっていうことを含めて(の意義)。区自身も非常に良い、都会には無い参加自治の仕組みだと思うんです。

ただ感じているのは、外から来た人や、女性とか子どもたちも参加し難いし、ある意味地元の人たちだけの場になっている。でも仕組み自身は素晴らしい住民参加型のまちづくりを出来る様な基礎になっている。組長とか区長も議会議員も、ほとんど男の人で新しい人もなかなか参加できない。なので変えることが出来れば、若い人も女の人も子どもたちも自由に地域のことを語り合える様な、そういう若干民主的な場になっていけば、もっともっと素晴らしい。

この本の中でも富士見町の神戸(ごうど)での地元学というのを書いているんですけど、地元学の切掛けはアウトレットモールが神戸と富里(とみさと)という地域に出来るということがあって、地元の議員さんから、「反対運動はしたくないけど、本当にその地域にイタリアンアウトレットができることが適切か」って言うことを考えたいという話を相談され。その時に「地元学をやりましょう」というのを提案して、東京から専門家に来てもらって、地域の宝を他所から来た人と地域の人たちが一緒に、地域の人達が先生で、他所から来た人が生徒になって一緒に歩くんですね。だいたい水みちに沿って、植物とか動物とか歴史の道具とか、色んなテーマにそって歩いて、地元の人達に聞きながら、外から来た人たちとか若い人たちが勉強して「これって宝だよね」ってやっていくんですね。

小林 地域を理解するってことですね。

中島 神戸はそういうことを何回かやったんですけど、すごい今元気になっているんです。

地元学には誰でも参加できるんですよね。子どもを含めて若い人も、それも外も中の人も両方居るから出来ている。中の人に教えてもらって外から来た人が再評価・再発見する。

そういうことで皆さんが気づいて、その宝をどう守っていこうかとか、何か課題があればどう解決していこうかとか。そういうことが出きていければ、外からの人も中の人も両方居るので強みに出来る。子どもも結構いい発見をするので、子どもの素朴な。

小林 いいですね。

中島 すごく簡単なんですよね。慣れてくると、議員さんが自分でコーディネーターになってやっていたので。

小林 印象に残ってます。地元学は。

中島 だからまちづくり小淵沢さんでもね、どこかの地区と連携して。

ただ、いくつか地元学やっていたんですけど、地域によってはやった気になって、それで終わってしまうんで、自分でその地域を何とかしたいというその地区の人が居れば、やったことを元に発展していく。普通にやっただけでは、イベントだけに終わってしまう。なので元気な議員さんとか区長さんとか居らっしゃるので巻き込んで、まちづくり小淵沢さんで主催して。

小林 ひとつの手法としていいですね。

中島 気楽にイベントとしてできるんです。

 

    著者紹介:中島恵理氏

環境省・長野県環境部

温暖化対策室課長

平日は環境行政に関わり、休日は家族(夫、息子、娘)と長野県富士見町で、田舎暮らしを楽しんでいる。様々       な団体や地元の市民グループ活動にも参加している。ショップまちこぶにも懇意にしていただいている。